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こんにちは。IMがやめられないイチイです。IM、すなわちインスタントメッセンジャー、もっとくだけた言い方をするのならチャットソフト。イチイの会社では、社員同士で業務用のチャットソフトが使えるようになっています。連絡を密にして生産性を向上、電話を減らしてコスト削減に貢献、という名目があるはずなんですが、実際のところはどうなんでしょう……。
イチイの会社での1日は、IMの起動から始まります。家のパソコンでとりあえずWebブラウザを立ち上げるのと同じように、朝出勤したらとりあえずIMを起動。「お、今日もみんな元気に出勤してるな」と確認し、仕事にとりかかります。お昼、そろそろおなかがすいたなーと思ったら、いつもごはんを一緒に食べる先輩にIMで話しかけます。「そろそろ行きましょうか」。ここでミソなのは、みんな同じ部屋だってこと。黙々と作業していたなかで、いきなり複数人がガバッと立ち上がる光景はなかなか奇妙なものです。
午後の会議が10分遅れ、なんてときもIM活用タイム。「会議遅れてるよー」、と連絡します。「昨日行ったラーメン屋うまかったよ」などと、世間話にも興じます。残業の時には他の残っている数少ない人と慰め合い。すると、飲みに行く流れになったりするので面白いものです。メンバーリストを見れば、仕事関連のメンバーより友達の方が多いという事実が業務外利用の多さを物語っています。我ながらぐうたら社員ですね……。
最近自分でもヤバいと思うのは、自宅にノートPCを持って帰ったとき、深夜や早朝でもIMを起動してしまうことです。もちろんメンバーリストのほとんどはオフラインになっているのですが、たまーに誰かがオンラインになっているとうれしくなってしまう。で、確認しただけで話しかけずに終わってみたり。1人じゃ生きられない現代の病にかかっているのかもしれません。
同期のT君もIMが大好き。メンバーリストの上から順に、一言ずつ話しかけてはその日の生存確認(?)をしているとのこと。そのT君、会議中に大失敗をしでかしました。プロジェクターで自分のPC画面を見せているときに、うっかりIMの設定をオンラインにしたままにしていて、同期に話しかけられてしまったのです。会話ウィンドウが最前面に開き、内容は画面いっぱいの「ハァハァ(しかも半角)」……。その後の彼がどんな思いをしたかは想像に難くありません。イチイもそんなことにならないよう、気をつけなきゃ。
本題に入って、最近メディアで話題沸騰中の電車男。マンガ化、映画化、ドラマ化など、その快進撃はとどまるところを知らないって感じですね。ご存じ、2ちゃんねるの書き込みから始まった、オタク君の恋が成就するまでの物語。イチイとしては、1度読んでフーンという感じも受けました。だって、IM依存症の私にとっては、舞台となった2ちゃんねるの特徴ともいえる、短い書き込みによるめまぐるしいストーリーの展開は目新しく思えないんです。
電車男がどうしてブームになったか? をちょっと小ムズカしく分析すると、その人気を構成している人々はいくつかの人種の層に分けることができると思います。まず第1層、リアルタイムで2ちゃんねるを見ていたいわゆる「オタク」の近くに位置する人々。次の段階の第2層は、書籍化されることで興味を持って読んでみた、インターネットを積極的に活用する人々。そして、第3層、普段はインターネットをあまり使わないような人々です。電車男が現段階の大ブームに至ったのは、この第3層の人達にまで知られたということです。第1層から第3層になるほど電車男変身前の世界=「オタク」から遠ざかっていき、そして人数も増えていく、という図式が描けるでしょう。同心円が次第に広がっている、と考えてもらえればよいと思います。
今のブームは量的な側面で第3層以降の人々によって支えられているため、第1層や第2層の人達と、気持ちにギャップがあるように思います。だって、電車男がブームになったからって、2ちゃんねるが前よりもブームになったりしたでしょうか? そうではありません。彼らの興味は「サエない、けど心はピュアな男が幸せな恋をつかみ取るまで」という逆シンデレラストーリーにあるのであって、電車クンが同人誌を買っている、というサエない時代の細かい話はどうでもいいのです。映画やドラマの宣伝では、かっこいい俳優がありったけのダサい格好をして「いかにこの後化けるかお立ち会い!」とばかりに主張し、まるでサーカスの広告のよう。変身前のストーリーと人々の距離感を感じてしまうから、第1.5層にいるイチイとしてはものさみしく感じるのです。
さて、今回電子書籍化されていた「電車男、重松清と語る」ですが、いわゆるチャット対談です。てっきり電車男そのものがナマで語るのかと思っていたので、少しがっかりしたものの、電車クンならではのアスキーアート入りの会話が読めるので、これはこれで楽しめると思います。恋人になったエルメスとの最近の様子や、当時の悩みを語るのですが、ただ、これはもう「第3層」向けと思われる雰囲気なので、やはりイチイはどこか、余計なものがなしさを感じるのでした。第1層に閉じこもっていた電車クンが、第3層の人々と触れ合うようになった後の後日談。でも、エルメスさんの意外な趣味? について、ご興味のある方はぜひご一読あれ。
「電車男、重松清と語る」著者:電車男/重松清
出版社:新潮社
価格:105円
データ形式:XMDF
購入サイト:電子書籍店 ビットウェイブックス