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ただいまコメントを受けつけておりません。
こんにちは。プチ非常事態のイチイです。どうも、執筆活動をしているのが会社の人にバレたみたいなんです。ヤバい。
会社の人っていうのは、一緒に働いているプロジェクトの人のことで、直属のボスも含んでいます。飲み会の席で「イチイは資料が作れるからなー」とほめられたのに対し、「学生時代に物書きやってたもんで、えへへ」と答えたことがあり、今はおとなしく会社員やってますよというキャラを確立していたつもりでした。しかし、どうやら影でこっそりイチイの文章を読んでいる人がいるらしい。
昨日もボスと飲んでいたのですが、イチイが元ライターという話題に及んだときに、「坐禅のこと、書いてるんだろ、え?」と言われました。一瞬、さーっと血の気が引きましたね。そう、先週書いた坐禅ネタは、元はと言えば坐禅マニアのボスの紹介に端を発しているのです。坐禅ネタを書いたのはつい1週間前のことなので、リアルタイムで読んでいなければわかるはずがありません。まさか、誰かがボスに告げ口を!? 動揺のあまり伏目がちで、「そっそんなことありませんよ」と思いっきり怪しい受け答えをしてしましました。
懲罰を恐れているわけではありません。もともと自由な気風の会社ですし、会社の規定に副業禁止の項はないので。ただ、忙しいプロジェクトをこなす合間に「たまにコイツ、くだらない文章書いてるんじゃねーだろーな」と思われるのが怖いのです。SNSやネットオークションをやるのと同じ、いや、それよりもさらに重罪なようで、後ろめたく感じます。SEという本職、お笑いライター、まったく裏腹なことなだけに。
でも本当は、昼間はSEで裏の顔はライター、というシチュエーションが案外気に入ってもいます。奥様は実は魔女だったのです! みたいで素敵、と思ってみたりして。魔美は実はエスパー、名探偵コナンは実は工藤新一、アンパンマンは実はパン(ちょっと違う?)、という風に、ヒーロー・ヒロインはギャップの上にカリスマ性を輝かせます。それに憧れるせいか、それよりもだいぶ現実はしょぼいけれども、SEが実はライター、という現状に酔いしれているところがあるのです。いい意味の「規格外」でありたいのです。
「僕、変人だから」
「私、よく変わってるって言われるんです」
自己申告する人は大抵普通の人です。本当に規格外の人は、「変わっている」という言葉を使いません。なぜなら自分がその概念すら持たないから。じゃあどうやって変わっている人を見つけるのか? なかなか見極めるのは難しいのですが、リトマス試験紙代わりになる、いくつかの方法があります。例えばその1つに、好きな本やマンガを聞いてみる、というやり方があります。
リトマス紙として最も有効なのは吉田戦車さん。経験上、吉田戦車作品を真っ先に挙げるような人に普通の人はいなかったですね。吉田戦車といえば、かわうそ君のキャラクターでも有名な「伝染るんです。」。これを今回電子書籍で読んでみました。
かわうそ君を始め、しいたけ、カブトムシの斎藤さん、世界征服を夢見る乙女ミッチー等、愛すべき濃いキャラクター達。それらと、イレギュラーに出てくる家族や少年少女ネタが主な4コママンガですが、その「ぶぁはっはっは」と大笑いするタイプではなく、「ぷっ」とか「くすす」と漏れるタイプの笑いは、「不条理」、あるいは「ナンセンス」の世界だと言われています。
まあ、一般的な話はそれぐらいで。「不条理」や「ナンセンス」という言葉は、普通の人から見て変わっているものに対し、使う表現だと思うのです。いずれも条理側、センス側基準の言葉。「電車男」でオタクや萌えがブームになったのと同様、一般側から境界線を引く言い方なのです。
この「不条理」マンガの決定的な特徴に、イチイは電子書籍で読むことで初めて気付きました。4コマ目と1コマ目の境界が、はっきりしていないということです。電子書籍だと、4コママンガを1コマずつクリックして読むことになります。通常は4コマ目だけにオチがあるのに対して、このマンガは1コマ目からツッコミどころがあるため、「あれ? もう次の話? それともここだけ8コマなの?」と錯覚してしまうのです。たとえば、1コマ目から、ラーメンを「へーっへーっ」冷ますおじさん。1コマ目から、女性ホルモンを注入するしいたけ君。めちゃくちゃです。4コマ目と1コマ目が同質だなんて、「サザエさん」じゃありえないことですが、それが通常としてまかり通っているところが「不条理」なのだと言えるでしょう。
「不条理」をもっともよく象徴しているキャラクターが、山崎先生でしょう。だって、山崎先生は何の生き物かもわからないのです。もしかして、マンガをきちんと通してみれば、ちゃんとした名前のある動物なのかも? と調べてみましたが、やはりだめでした。Googleのどの検索結果からも、山崎先生は「謎の生き物」「なんだかわからない」というコメントしか出てこなかったのです。しかし、
「山崎先生が1番好き」
「1番濃い」
「なくてはならない」
そんなコメントを多々発見したのは意外でした。なんだかわからないけれど、なんだか人気。そんなポジションでこれからも根強くファンが残るという「伝染るんです。」って、そんないい意味の「規格外」作品な気がします。なんだかね。
「伝染るんです。」その1~25著者:吉田戦車
出版社:小学館
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