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岡田あーみんという少女漫画家をご存じでしょうか? 現在30代の女性であれば知っている人は多いかもしれませんが、サイゾーの中心読者層である男性陣は意外と知らないかもしれませんね。
あーみん先生は1983年にデビューし、集英社の少女マンガ誌「りぼん」に『お父さんは心配症』『こいつら100%伝説』『ルナティック雑技団』という、いわゆるあーみん三部作を連載。カリスマ的人気を誇った後、忽然とマンガ界から消えてしまった伝説の漫画家です。『お父さんは心配症』連載当時は、同じ「りぼん」の『ちびまる子ちゃん』と共に2大少女ギャグマンガとして君臨し、その後、テレビドラマ化されるほどの人気を誇りました。
そんなあーみん先生の作風は「少女漫画家界に咲くドクダミの花」と呼ばれており、今までの少女マンガとは一線を画した、奇行癖を持つ変態キャラたちが猛スピードで意味不明なギャグを繰り出し続けるという内容で、王道的ラブコメ路線に慣れていた当時のりぼん読者の度肝を抜きました。
岡田作品はいたいけな乙女たちの少女マンガ観を、いや、もしかしたらその後の人生観までをも根本から覆すパワーを持っていたんです。まだ10年そこそこしか生きていない少女の人生観を根底から変えるって、並大抵の事象じゃないですよね。
ちなみに変態といっても、ここでは性的な意味での変態を指しているのではありません。当時は、いわゆる奇行癖を持ったギャグマンガキャラクター全般を「変態」と呼ぶ傾向がありました。おそらくそのルーツは、新沢基栄先生の『3年奇面組』にあったと思われます。しかし、昔から多種多様なギャグマンガが存在していた少年マンガならまだしも、お目めキラキララブコメが主流の少女マンガ界に突如として変態キャラを登場させたことが、いかにすさまじいイノベーションであったか想像に難くありません。
では変態少女マンガに疎い、変態少女マンガ童貞なオトナ男子のあなたのために、伝説のあーみん3部作の見どころを、それぞれご紹介していきましょう。
主人公は、女子高生の典子の父、佐々木光太郎。典子がまだ幼い頃に妻と死別しており、男手ひとつで娘を育てているシングルファーザーです。この光太郎(通称パピィ)こそが、あーみん作品を特徴付ける変態キャラのルーツなのです。
典子には同級生の北野くんというボーイフレンドがおり、典子と北野くんの交際を心配性すぎる光太郎が、あらゆる手を使って妨害するというのがこの作品の基本ストーリーです。…