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[表]日本の原発の運転年数(2015年3月現在)
関西電力の美浜原発1、2号機と敦賀原発1号機の廃炉が17日に決まりました。ほかの国内の原発の運転年数はどうなっているのでしょうか? 表にまとめました。
今回、廃炉が決まった原発は、いずれも運転開始から40年を超えています。次に運転年数の長いのが、関西電力の高浜1号機と中国電力の島根1号機で、それぞれ40年。関西電力高浜2号機と九州電力の玄海1号機がそれぞれ来年に40年運転を迎えます。
廃炉に関しては、東京電力の福島第一原発(福島県)、日本原電の東海原発(茨城県)、中部電力浜岡原発1、2号機(静岡県)について、プロセスが進んでいます。
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目標達成のため、時間短縮のため、業務命令で……、などなど、社会人なら誰もが挑戦しつづけるスキルアップ。自分からはおおっぴらに話さない話題だからこそ、周りがどんなことをしているのか気になりますよね。
そこで、今回は同じ会社に勤める4人の男女に、スキルアップについて語ってもらいました。
今回登場するのは、同じ会社勤務の同僚であるこちらの4人
左から
Yさん:社会人歴8年目 編集者
Iさん:社会人歴1年目 編集者
Sさん:社会人歴1年目 営業
Mさん:社会人歴9年目 ディレクター
意外な一面を発見! 知られざる同僚のスキルアップ術
同じ社内でも職種や役職が変わると、求められるスキルも大きく変わります。今回集まってくれた4人はこれまでにどんなスキルアップ術を経験してきたのか聞いてみましょう。
──ビジネススキルを上げるために、今までどんなことをしましたか?
I:僕は新卒の頃、『日本語の作文技術』っていう本を上司に勧められて読みました。句読点の使い方だけでも100ページくらいある凄い本でしたけど、とても参考になりました。その本が文書作成の基礎になってると思います。
M:それ、昔、僕も先輩に勧められて読みましたよ。
Y:有名な本って、いろんな世代の人が読んでるんですね。私は新卒の頃、ビジネスマナーの本を読んでいました。社会人のルールを知っておきたくて。
S:私もです。大学時代に『入社1年目の教科書』や『七つの習慣』などを読みました。「挨拶はしっかり」とか「議事録は言われなくてもとる」とか、新社会人の心構えみたいな内容でしたが、当時はとても参考になりました。
ビジネス書の話題で盛り上がる4人
I:ビジネススキルを上げるといっても、僕の場合は普段からなにかを継続的に勉強しているとかではなく、必要に迫られたらその都度調べて学ぶ、という感じですね。最近ですと、通常なら3時間もかかっちゃうような膨大なデータ整理をするために、エクセルのVBAを勉強しました。
M:それはすごい! 仕事は早く片付いた?
I:その時は勉強に3時間以上もかかっちゃいましたが、それ以降はスピーディーに終わるようになりました。
M:いいですね。スキルアップのやり方は僕も似ていて、なにか一つの能力を突き詰めて高めるようなものじゃなく、必要に応じてさまざまなTipsを調べて身につけるというようなものが多いですね。業務を円滑に進めるためにGoogleカレンダーとか、エバーノートといった、ツールを扱うテクニックはよく調べます。
──中堅社員の方に質問です。今まで学んできたビジネススキルの中で、若手に教えたいお役立ちスキルは?
Y:私はビジネスメールの書き方です。それも、通常送るようなものじゃなくて、例えば謝罪文とかイレギュラーなもの。これはルールみたいな部分もあるから、内容を知らないと書けないと思う。
タスク管理の重要性を説明するMさん
M:僕も基本的な話ですけど、タスク管理ですね。新卒の頃、一番最初に痛感したのが「やるべきことを忘れてしまってはダメだ」ということ。そこでなんでもメモするクセをつけました。それがTodoリストと呼ばれるものだったのは、後で知りましたけどね(笑)。そのタスク管理の延長で、今ではGoogleカレンダーを重宝してます。仕事の案件からプライベートな用事まで全てがこれで管理できちゃう優れもの。もしもなくなったら僕はやっていけないよ。
──さまざまな方法でスキルアップを図っているんですね。そんなみなさんは普段、ビジネス書って読みますか?
Y:私はけっこう読みます。この手の本が好きでよく読むのですが、それに加えて旦那もよく買ってくるので、お互いに交換したりして読んでます。
M:へぇ~、ちなみに、どんな本を読むの?
読書量の多いYさん。気になった本はタイトル買いしてしまうことも。
Y:自分の抱えている悩みを解決してくれる本が多いですね。例えば、なかなか定時に帰れないときに、『絶対定時に帰る!スピード仕事術』なんて本を見つけたら、即買っちゃうかも。
I:僕は本の内容によって、読むものと読まないものがあります。よく見かける『○○すべき』とか『○○してはいけない』とか、自分の生活を変化させちゃうようなものはなるべく読まないようにしています。どうも僕は本の影響を受けやすいみたいで、読むとすぐに実践しちゃうんですよ。前に本の影響でしばらく朝ごはんを抜いていた時期もありました。
M:真面目だね(笑)それじゃあ、どういう本なら読むの?
I:有名人の自伝的な本が多いですね。例えば、『スティーブ・ジョブズ』とか、「へぇ~、こういう人もいるんだ」みたいに自分と切り離して読めますし。
S:私は忙しくて、最近はなかなか読めてないです。でも、もっと知識を増やしたいっていう気持ちはあります。営業先ではさまざまなお客様とお話する機会があるのですが、自分が詳しくない業種の話になってしまうと、会話が浅くなってしまうのが悩みなんです。だからといって、新聞を読めと言われても、そもそも読む時間もなくって。
Y:『営業が読むべき一冊』という感じで、必要な知識だけ手に入るなら効率的ですよね。
必要なページだけお金を払う、新しい読書のかたち
──『パピレスプラス』って、ご存知ですか?
ビジネス書と実用書に特化した電子書籍販売サイトが『パピレスプラス』です。同様のサイトとの一番の違いは、“電子書籍のばら売り”。書籍の中の自分が知りたい部分を、安価(10円~)に購入することができちゃいます。
今回、4人にはiPhone、iPad、Android端末を使って、実際にサイトに触れてもらいました。
本に影響されやすいIさん。最近は禅にはまっているのだとか
M:本を買うことに比べれば、圧倒的に価格が安いですね。ビジネス書だと一冊1000円なんて、ザラだからね。
I:値段も魅力的ですが、僕は内容が気になります。ビジネス書以外にも都市伝説の本とか、ミステリーとか、種類が豊富なんですね。
S:私もけっこう気になる本があります。本は最初の一部が無料で読めるんですね、……続きが気になる。
M:僕、A型なんだけど、『A型男子の恋愛説明書』がすごい気になる(笑)。純粋に読みのものとして面白そうな作品が多いですね。ビジネス書を読みつつ、疲れたらエンタメ系を読んだりと気分転換ができていいかも。
Y:これなら人目を気にしちゃうような本でも気軽に買えそうですね。ビジネス書とか自己啓発本ってタイトルが露骨なものが多いじゃないですか。『ネットで○万円稼ぐ方法!』とか。書店でレジに持っていくと、店員さんにどう思われるのか気になるし。
最近本を読む時間がないSさん。
M:検索機能も便利ですね。僕は調べものをするとき、よくGoogle検索を使うんだけど、それと同じように知りたいことを検索することができて、なおかつ売られてる本だからネット情報よりも信憑性が高いよね。
Y:私は東京に出てくる以前は電車でよく本を読んでいたんですが、こっちでは混雑していて、あまり読まなくなってたんです。これなら、スマホを使って片手で読めるし、文字の分量も少ないので、移動中なんかにも読みやすそう。
M:「読了時間」が表示されているのもわかりやすくていいよね。例えば3分とか書いてあるとラーメンを作ってる間1つ読めたりして。
S:時間がなくてしばらく本を読んでなかったけど、これなら手頃なボリュームでスキマ時間に楽しめそう。改めて眺めてみると、どの本にしようか迷うなぁ~。
試し読みのつもりが、すっかり夢中で読んでいます。
4人にパピレスプラスを試してもらったところ、気になる本が多すぎて現場はしばらく無言になってしまいました。
サイトではビジネス書と実用書をメインに取り揃えていますが、ラインナップは恋愛やエンタメ、サブカルチャーなど非常に豊富。
もちろん、ビジネスマンにオススメの専門書やスキルアップ系の書籍もあるので、仕事の調べものから趣味の読書まで、全部このサイト探せちゃいます。まだ利用したことがない人は、必要なページだけを購入する効率的な読書を始めてみませんか?
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[写真]マツダのコンパクトSUV CX-3がデビューした。メカニズム的にはデミオのデザイン的にはCX-5の兄弟車である
マツダからCX-5のサイズダウン版「CX-3」が発売された。CX-3はCX-5のデザイン文法をほぼそのまま踏襲している弟分であり、エンジニアリング的にはデミオをベースに作られたBセグメントのSUVだ。手始めにまずひとまずサイズを比べてみよう。
旧型の立体駐車場に入る車高
[図表]マツダ各車との比較表
CX-3の各部寸法図面と、比較表をご覧いただきたい。何をどう比べたらいいのかという指標は概ね以下の通りだ。SUVの場合その性格上、室内の広さをまず見るべきだ。この手のクルマでは車高を上げてエアボリュームを稼ぐのが定石だから、まずは高さからだ。
すると意外なことに、CX-3の室内高はBセグメントのデミオと同一である。つまり上方には大して広がっていない。ちょっと期待外れである。室内が狭いのかと、デミオの数値をよく見てみるとクラス上のCセグメントのアクセラの方がむしろ小さい値になっていることがわかる。つまりベースのデミオはそもそも頭上空間にはあまり不自由をしていないとも言える。だからこそ屋根のかさ上げをせずにCX-3に流用ができたわけだ。CX-3の室内のエアボリュームは巨大ではないが大きい方ということになるだろう。
それにしても、なぜ広さを求めるSUVの室内高がデミオと同じなのかと言えば、CX-3は基本的成り立ちがデミオベースであり、同じシャシーをベースにしていることも理由の一つにあるだろう。しかし、どうもそれだけではない。
[画像]CX-3各部の寸法図面
ちょっと外形寸法の車高の値を見てみて欲しい。1550ミリという数値になっている。この1550ミリというのはマジックナンバーで、旧式の立体駐車場の制限寸法なのだ。クルマのカタログを眺めていて、1550ミリという車高の数値に出くわしたら駐車場の制限を気にして作られていると考えてほぼ間違いはない。
つまりCX-3はSUVの割にスペースユーティリティに特化していないということがわかる。むしろ日々実用のアシとして使う時の自由さを確保するために室内高の贅沢はほどほどに留めたという折り合いが見られるのだ。その結果、屋根をかさ上げするような大工事も行わなくて済んでしまったわけだ。
次に、実質的に一番広さを感じる室内幅を比べてみる。流石にCX-5は広い。CX-3と比べると10センチ近い差だ。CX-3はここでも僅かながらデミオに負けている。外寸の車幅ではデミオ比で7センチも拡幅されているが、それはほぼフェンダーのフレアというデザイン要素に食われている。
リアシートが弱点ではあるが
[写真]インパネやメーター、シートなどはデミオと基本的に共通化されている
室内長はフロントシート優先で見るならあまり大きな意味はないので、リアシートを積極的に使いたい人以外はあまり考える必要はない。リアシート優先で使いたいとなれば、そもそもBセグメントでは足りない。そこはCX-5を選択すべきだろう。CX-3の後席は空間の広さそのものは、頭上も含めて思ったよりある。しかしリアシートの出来は背もたれの倒れ具合に対して座面の後傾角が足りないし、ひざ裏のサポートもあまり考えられていないし、左右方向でもヘリの硬さが足りないためお尻が落ち着かない。全部が柔らかいダメなソファーの様だ。多分CX-3の一番顕著な欠点はここだと思う。しかし、繰り返すが、リアシートに大人をしっかり乗せようと言うのは本来、Bセグメントの用途外だと思う。
さて、数値で見る限り、意外にも広くないCX-3だが実際に乗って見ると、良い意味で極めて普通。フロントシートが背もたれを立てたアップライトな姿勢を前提に作られているせいで広さ感を感じるのかもしれない。しかし、その背中の立った着座姿勢でも頭上空間が狭いとは感じない。かと言ってSUVならではの大空間という感じもなく、普通のセダンに乗っている感覚に近い。それでも違和感がない程度には視点が高いから、若干の見下ろし感によって前方も見やすく、車両の感覚も掴みやすい。つまりあれこれが薄めのスペースユーティリティ感なのだ。そうなるとSUVと言っていいのかどうかだ。
ある種のユニバーサルデザイン
[画像]デミオをベースにしながら共用部品は1割から2割程度という。ただし、多くの部品は部材の厚みが違うなどの僅かな仕様変更で差異が生じているだけ。生産設備などを共用できる合理化に抵触しないように仕様を変えることで最適な部品を安価に作れるシステム化がなされている
マツダはいちいち理屈をこねる会社なので「CX-3はSUVではなくクロスオーバーです」と力説する。まあ確かに言われてみると、その絶妙な高さ感は乗用車の自然さとSUVの視界の良さという長所が上手くクロスオーバーしている。なるほどクロスオーバーなのかもしれない。
と書くとマツダに「そうじゃない」と言われそうだ。「乗用車とSUVのクロスオーバーではなく、ユーザーのライフスタイルのクロスオーバーです」という説明だった。マツダは良いことを言うのだが、いつも分かりにくい。書き手の方がちゃんと翻訳しないとただの宣伝文句に見えてしまう。どうにかならないのだろうか?
「ライフスタイルのクロスオーバー」という言葉でマツダが言いたいのは「いかなる用途にも使える」ということだ。車高の話もその一つの現われだ。SUVっぽくするために着座位置をグーンと上げれば乗り降りがしにくくなる。かと言ってスポーツカーの様に低過ぎるのもダメだ。
マツダは一番自然に、つまり体に負担をかけずに座れるシートの高さを600ミリだと判断した。これだとよじ登ったり、膝を曲げてかがんだりする必要がないから、筋力に依存しない。例えばシニア層であっても自然に乗り降りできるわけだ。ラクに使えるのはシニア層だけではないから、これはある種のユニバーサルデザインだとも言える。
そして車高をむやみに上げなければ、前述の通り駐車場問題でも自由が広がる。日々使いやすいわけだ。従来のセダンより少しだけ高い見下ろしの視点に設定することで前方視認性が上がり、車両感覚も掴みやすい。何よりもボディサイズがコンパクトで、狭い路地でも気兼ねなく入っていかれるし、小回り性能も良いので取り回しの面でもネガが少ない。こういうクルマを使う現実のシーンのあらゆる面でユニバーサルな解を求めて行った結果がCX-3だとマツダは言いたいわけだ。だからマツダはCX-3をして「次世代のスタンダード」だと主張するのである。
「次世代のスタンダード」に
[写真]マツダではこの新ジャンルのポテンシャルが2020年には2倍になると考えている
商品としてCX-3は売れそうな予感がある。ここまで書いてきたように、普通の人が普通に使う乗用車としてかなり普遍性が高い。端的に言って使いやすそうだ。一番上で300万円。下で240万円という価格にはちょっと割高感があるが、その分Bセグメントにどうしても漂う貧乏くささは完全に払拭できている。確かにデミオはそういうものと真っ向から戦ったし、相当以上に善戦したと思うが、サイズそのものが漂わせるクラス感だけは如何ともしがたく残っている。CX-3はCX-5のデザインを上手く踏襲したことで、どこのクラスに属するのか一見よくわからない商品に仕上がっているのだ。
デミオは「クラス概念を打ち破る」と言ってクラスの内側からクラスを壊そうともがいた。そのチャレンジの結果として「Bセグメントにしては高級感がある」あるいは「これまでのBセグメントとは違う」というものになったと思うが、そういう諸々を出し抜いて、Bセグメントだと分からないところへ行ってしまったCX-3は、クラスそのものに縛られずに済んでいる。
純粋なクルマの走りではデミオに軍配が上がると思うが、使い勝手や見栄えといった商品性の話になるとCX-3の勝ちだろう。経済的に余裕があって、ただアシとして普通のクルマが欲しい人にとって、ちょっとくらい割高だとしてもCX-3は魅力的に映るに違いない。
(池田直渡・モータージャーナル)
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7年ぶりに来日したドイツのメルケル首相の発言が波紋を広げています。安倍首相との首脳会談でこそ深入りはしませんでしたが、来日中の会見や講演では、歴史認識問題や原発問題について踏み込んだ発言をしました。今回の来日をめぐっては、メディアの総括も「実利的な接近」(産経新聞)、「違い浮き彫り」(朝日新聞)などとまちまちです。どう評価すればいいのか。元外交官の美根慶樹氏が解説します。
歴史と原発で異なる両国の状況
[写真]ウクライナ情勢などを中心に協議した日独首脳会談(ロイター/アフロ)
ドイツのメルケル首相が7年ぶりに訪日しました。ともにG8(主要国首脳会議)の一員として世界の政治・経済に大きな役割と責任を有する両国の首脳は、東アジア情勢、独仏両国の和解、ウクライナ情勢、過激派組織「イスラム国」、G8の議長、国連安保理の改革、日・EUの経済連携協定などについて話し合いました。
この中に日独両国の立場が異なる問題が含まれていました。一つは、かつて敵対していた国との和解であり、ドイツはフランスとの和解を実現し、またそのことについて強い自負と思い入れがあります。しかし、日本と中国および韓国との関係は独仏のようには進展していません。東アジアと欧州が歩んできた道は異なっています。
もう一つの原発については、ドイツはすでに脱原発を決定しているのに対して、日本は安全性を確認できた原発は再稼働する方針であり、両国の姿勢は非常に違っています。
メルケル首相はこれらの問題についてかなり踏み込んだ発言をしましたが、「東アジア情勢についてアドバイスする立場にない」と断るなど、日本に対して批判的になるのは極力避けていました。相手国の置かれた状況を理解し、それなりに認めつつ話し合いを行なうことが国家間の関係では非常に重要です。メルケル首相はそのような配慮をしっかりとしながら和解と原発について明確にドイツの考えを述べていました。立派な外交姿勢であったと思います。
しかし、多くの日本国民は、また、メディアも、メルケル首相の訪日になにかはっきりしないところがあると感じているように思われます。報道の力点もまちまちです。日独間の距離を感じたとするものもあります。そのような印象になるのは日独双方に原因があるようです。
独にとって対中国関係も重要に
ドイツにとっての外交課題を考えてみると、対応を誤ると直ちにドイツに影響が及んでくる国として米国、次いでロシアがあります。順序は逆かもしれません。米国とは同じNATO加盟国ですが、水面下には盗聴問題が象徴するような緊張関係もあります。米国との関係をうまく処理できないドイツの指導者は失格でしょう。ロシアはエネルギーの供給国ですが、欧州の安全保障にとって脅威となりうる国であり、冷戦時代からあまり変化していない面があります。
この両国に次いでEUとの関係が重要であり、各国と協力しながらギリシャなどの財政困難を処理することが求められています。
また、新しいパワーである中国は、ドイツにとっても重要になっています。ドイツは米国に次ぐ、またEU内では抜群の輸出大国であり、中国のような巨大な市場、しかも急速に拡大する市場はドイツにとって極めて重要です。しかも、中国は国際政治面でも独特の考えと主張があり、ドイツとしては慎重に友好関係を築き上げ、維持していかなければなりません。
日本とは、歴史的、伝統的に親しい関係にあり、同じG8のメンバーとして安心して付き合える国であり、ドイツに危険を及ぼす可能性は世界で最も小さいでしょう。メルケル首相は訪日の前に、日本は「価値を共有する国だ」と言ったそうですが、この言葉は日本のイメージを端的に表明しているように思われます。このように考えれば、メルケル首相が過去7年間日本を訪問していなかったことはうなずける面もありました。要するに、日本とドイツは分かりあえているから、あえて訪問する必要はなかったということなのでしょう。
しかし、このような日本の状況に最近変化が生じ、国内政治においても対外的においても新しい主張が強くなりました。また、尖閣諸島や歴史問題をめぐって中国との矛盾が激化し、ドイツにとって理想的な、日本との友好関係を維持しつつ中国との経済関係を増進させていくのに支障が生じるかもしれない状況になってきました。
日本にとって独は現状「遠い国」
一方、日本は、ドイツを明治維新後に学んだ国、第二次大戦で共に戦って敗れた国、どちらの国民も優秀かつ勤勉である、というイメージで見る傾向が強いですが、メルケル首相が率いる現在のドイツを見るのに、このようなイメージは時代遅れか、あるいは当たり前すぎるでしょう。
もし日本が現在のドイツを、西側の重要な一員でありながらイラク戦争のような場合には米国に同調しないという選択をできる国、脱原発という、経済的には負担が大きくなるが一大決断をできる国、という目で見るならば、メルケル首相の訪日もかなり異なるものとなり、緊迫感を伴ってきたかもしれません。しかし現実には、知識としてはドイツのこのような面を知っていても、日本の現状からは遠く離れた国のこととみなしています。要するに、現在のドイツは日本にとって直接影響のある国ではなく、また、日本とは環境があまりにも異なっているという印象が強いのです。
両国とも以上のような立場の違いは十分理解しているので、メルケル首相の訪日に際し、立場の違いを目立たせないよう気を付けながら無難に首脳会談を行いました。メルケル首相はかなり踏み込んだ発言もしましたが、原発については、「日本はあれ程ひどい被害をこうむっておきながらなぜ続けるのか」と言いたかったのではないかと思われます。しかし、外交的配慮からそこまで言いませんでした。だからメルケル首相の訪日のポイントは何か分かりにくくなったのです。
福島第一原発の視察を希望した?
最後に、メルケル首相は人道上の理由と福島原発の崩壊の2点から東日本大震災について強い関心を持っているはずです。今回の訪日に際して、日本政府に被災地や福島原発の視察を希望したのではないかと、個人的には想像しています。メルケル首相が福島原発の視察に行けばあまりにもドイツと日本の違いが強調されすぎてしまうので、日本政府としては応じることはできなかったでしょうが、この点について少しでも情報が公開されていれば、メルケル首相の姿勢が明確になったのではないでしょうか。
実際には何も発表されていないので、想像を重ねることになってしまいますが、日本政府には情報提供のあり方について考慮してもらいたく、またメディアにはこのような問題意識をもって追究してもらいたかったと思います。
(美根慶樹/平和外交研究所)
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THE PAGEが放送した生放送番組、THE PAGE 生トーク「中東とどう向き合うか~イスラム国から日本外交まで~」(http://thepage.jp/detail/20150302-00000006-wordleaf?)。出演は、黒木英充・東京外国語大学教授、鈴木恵美・早稲田大学イスラーム地域研究機構招聘研究員、高橋和夫・放送大学教授。司会・進行は、萱野稔人・津田塾大学教授、春香クリスティーンさん。
以下、議論の書き起こしの第3部、「国際社会に対する中東の不信感と被害者意識」を議論した部分の書き起こしをお届けします(第2部はこちら(http://thepage.jp/detail/20150315-00000002-wordleafv?))。
※討論の動画は本ページ内の動画プレイヤーでご覧頂けます。
被害者としての意識
[画像]高橋和夫・放送大学教授
(以下、書き起こし)
萱野稔人:そうですね。なるほど。いや、国際関係が、ものすごく中東に影響してるっていう話があったじゃないですか。
春香クリスティーン:はい。続いてのテーマはそのまさに国際社会の中で、ちょっともうだいぶ話出ましたけど、あらためて、はい。国際社会の中での中東。
萱野:そうですよね。中東が世界をどう見てるのかっていうこともやはり気になりますし、世界が中東をどう見てるのかっていうこともやっぱり気になると思うんですけども、まず中東が世界をどう見てるのかっていうことを、じゃあ、黒木さん。
黒木英充:はい。中東が世界を。
萱野:世界は、先ほど十字軍だというお話ありましたよね。もうちょっと、なんて言うんですかね。広げて言うと、どういうことが言えます?
黒木:おそらく、これも中東の人もいろんな人たちいますので、一概に言えない。私なんかが今まで主に付き合いがあったシリアとかレバノンとか、そういった辺りの人たちをちょっと念頭に置いて言いますけど。
1つはこの長期的な動き、今国際関係の話がずっと続きましたけれども、その社会の中のほうについて見れば、あの地域ってイスラムだけじゃなくて、キリスト教徒やユダヤ教徒とか、最近はイラクのイスラム国の関係でヤズィーディーっていう宗派が急に知られるようになったり、いろんな人たちが今までいたんですね。例えば人が何人か集まると、途端に言葉が2つ、3つしゃべられるとか、宗教もいろいろ違うとか、そういうことが極日常的にあった世界なんですね。それが、ここやっぱり100年、150年ぐらいの間にだんだんと分かれていって、今、行き着くところでスンニ派対シーア派っていうことでざっくりきちゃってるわけですが、それまでに、例えばイスラエルが建国されたときにユダヤ教徒がそっちのほうに移住して、今までたくさん住んでた人たちがいなくなるとか。今はキリスト教徒がこの地域からどんどん外へ出ていってるわけですね。殺されたりもしてますけれども。
ですから、そういうところからすると、それまで、これまであった自分たちが共存してきたこの社会っていうものを、外の人たちがこう、混乱させて、いわばばらばらにしていくっていうかね。そういう一種の被害者的な意識っていうのは1つあると思いますね。
萱野:その場合、外っていうのは必ずしも欧米とは一致しないんですか。
黒木:例えば、今のあれで言うと、例えば湾岸諸国っていうのはそういう形で、例えばスンニ派対シーア派っていうものを、その枠組みを盛んに強調していたのは湾岸諸国のいわゆるオイルマネーで潤う国々ですね。それと例えばエジプトなんかも結び付いていたわけですが。だから、去年、おととしぐらいまでは今それこそシリアに行ってはいけないって言って今人を止めてますけれども、エジプトのモルシ政権は、シリアに行けっていう形で奨励してたわけですよ。
萱野:なんでですか、それは。
黒木:それはもう内戦でアサド政権をやっつけということですよね。だから、今でもそういう雰囲気はないわけでも、ほかの湾岸諸国の中ではないわけではない。ですから、もうですから周りを見渡すと、もうある人にとってはそれは友達かもしれないけど、別の人にとっては敵になるっていう、なんかそういうものが常にあるわけですね。
萱野:本当ですね。そうですね。
黒木:で、その中で社会の多様性がどんどん失われていくっていうことですよね。
国際社会への不信感
萱野:なるほど。鈴木さんはどうご覧になっていますか。国際社会の中の中東。中東が世界をどう見ているのか、他国をどう見ているのかっていう観点からまず。
鈴木恵美:そうですね。中東って言うと本当に広くなってしまうので、私の専門のエジプトについてちょっとお話しさせていただければと思うんですけれども、エジプトは個人レベルでは非常にアメリカ大好きと、ヨーロッパ大好きっていう人たち多いんですけども、でも、その国の政府っていうとまた違いますよね。非常に反米であり、ヨーロッパ諸国に対しては非常に不信感みたいなのが、なんか心のどこかにあった人たちなわけですけれども、アラブの春以降の欧米諸国の中東との関わりの中での一貫性のなさっていうのが非常に露見されたので、その不信感みたいなのがよりいっそう強まったっていうのはありますね。
モルシ政権に対して否を唱えた人たちの、唱えた人たちっていうのは、モルシ政権っていうのはアメリカが裏で糸を引いていてアメリカが援助している国であると。で、オバマはもう悪魔だというようなことをみんな言ったわけですね。アメリカが裏で糸を引いてるっていうような言説、今でも、昔からもあったんですけども、そういった言説が大手を振って歩くようになったっていう。欧米への不信感っていうのが非常に強まったと思いますね。
萱野:なるほど。昔からでも、エジプトの政権ってアメリカが糸引いてるような印象があるんですけども、それは昔はあまりエジプトの国民はあんまり感じてなかったっていうことですか。
鈴木:いや、感じてはいましたけども、それが強まったっていうことですね。1つ例を挙げれば、リビアに対してはNATO軍中心というと、イギリスとフランスが中心ですけれども、軍事介入して倒したと。じゃあ、なんでシリアにしないんだと。こういった矛盾みたいなものに対して、ああ、やっぱり欧米諸国はもう利害だけでしか動かないよねと。自分たちの命なんてどうでもいいって思ってるよねっていうふうに、みんな感じちゃったわけですよね。
萱野:なるほど。それがまた国内勢力であそこはアメリカが糸引いてるとか、そういうところにも向かっていくわけじゃないですか。
鈴木:そうですね。
萱野:ものすごい今、不信感がじゃあ、蔓延してるというふうに考えていいわけですか。
鈴木:そうですね。不信感蔓延してますけれども、ただ、手遅れっていうようなことではなくて、まだまだ欧米に対しては期待してるからこそ、仲良くしたいという気持ちが強いからこそ、それが裏切られたとき、ちょっと失望したときに、結構過剰な言説っていうのが出ちゃうんだと思うんですよね。何かのきっかけでまた関係が良くなるという可能性はでも、あるとは思います。
アメリカの特殊性
萱野:高橋さん、先ほどイランとアメリカの綱引きの中で動いてきたものががらっと、綱引きの構図自体が変わってしまうというお話がありましたけど、その状況を逆に今度はアメリカやヨーロッパっていうのはどういうふうに見てるっていうふうに考えられます?
高橋:ええ。ヨーロッパはアメリカにそう頑張ってもらって戦争してもらってもなっていう感覚があったんで、基本的には歓迎してると思うんですよね。アメリカも、実はアメリカという国がすごい複雑で、もうそれはイランと付き合うしかないだろうっていう非常に現実的な人たちもいるし、もう79年のアメリカ大使館人質事件を覚えている世代は、もうイランと言っただけで画面が飛んでしまうような感じで、血が頭に上って、もうイランとなんか絶対付き合うべきじゃないという、そういういろんな流れがありますよね。
で、実は私、日本人は中東は難しいって思ってるじゃないですか。アメリカはなんか、日本人、なんとなく知ってるつもりなんですよ。なんかハンバーガー食べてコーラ飲んだらアメリカ分かったような気がしてるけど、アメリカってすごい複雑な国で、われわれが知ってるハリウッドとかニューヨークは実はアメリカじゃなくて、サイモンとガーファンクルの歌にニューヨークからアメリカを見に行くっていう歌がありますよね。まさにそうで、われわれが知ってるアメリカは、ほんの特殊なアメリカなんですよ。でも、なんかニューヨークがアメリカだとか、カリフォルニアがアメリカだとか思ってて、で、日本人から見たらあれほどばかな戦争をしたブッシュが、やっぱり大統領選挙を2回勝ってるんですよね。だから、ブッシュがいいというアメリカ人がたくさんいる。
そのアメリカを日本人は知らないんですよ。すごい宗教的で、毎週教会に行って、神さまに愛されてるからこそアメリカは偉大なんだって本気で思ってる人がたくさんいて、それが正しいかどうかは別として、そういうアメリカとわれわれは付き合っていかないといけないのに、ニューヨークのアメリカ、ハリウッドのアメリカしか知らなくて、アメリカはねって言うけど、アメリカはそんな単純なもんじゃないでしょという。アメリカは新しい国って言うけど、独立以来、アメリカの歴史は明治日本よりはるかに長いわけで、なんか日本人は中東が分かってないというのは分かってる分だけまだましだと思うんですけど、アメリカは全然分かってないのに分かってるつもりというのが僕はなんか日本人の、中東政策を見ていてもはらはらするんですけど、アメリカ解説というのを見ててもはらはらするところがありますね。
萱野:なるほど。結構、例えば中西部の田舎のほう行くと、銃を持って、ミリシアっていうか民兵たちが集まって、白人至上主義だとか、なんかナチと似たような儀式したりとかっていうことを今だとインターネットで結構見れたりするじゃないですか。ああいうのもある種、アメリカの一部だというふうに考えたほうがいいってことですか、それは。
高橋:そうですね。で、決して銃を持ってる人が異常な人たちじゃなくて、もちろんああいうミリシアの人たちは異常かもしれないですけど、やっぱり自分の国は自分で守る、自分の権利は自分で守ると。銃を与えられたからこそイギリスから独立できたんだって本気で思ってる人がたくさんいて、私は学生のときアメリカに留学してて、お金がないからグレイハウンドのバスでよく移動してたんですけど、朝、夜が明けますよね、徹夜で走ってるから。そうすると、バスの運転手さんが、「今日も神さまに感謝して、この美しい夜明けを感謝して、みんな一生懸命働きましょうね」ってなんかここは走る教会かという感じですよね。でも、そういうアメリカがあるんですよ。
萱野:そうですよね。だって、進化論を許せないって言って学校に行かせない家庭が何千万近く、もう1,000万とか2,000万とかそれぐらいあるって聞きますからね。
高橋:ええ。だから、「ハリー・ポッター」みたいなね、あんな聖書に出てこない、魔術なんてとんでもないと。ああいう本は図書館に置かないでくれって運動はあるし、進化論は教えてくれるなと。恐竜なんか聖書に載ってないと、あんな大きなものはノアの箱舟に乗れないじゃないかという議論がかなり真面目になされる社会で、そういうほとんどわれわれはイスラム原理主義と言うけど、そういうアメリカのキリスト教原理主義的な人たちともお付き合いしていかないと生きていけないという、こういう状況で、そういう人たちが中東政策を残念ながら動かしてるという面があるんで、それが好きとか嫌いとかまた別問題ですけど、アメリカはね、という単純な発想ではちょっと動かない。
萱野:なるほど。われわれが思ってるほど世界はのっぺりもしてなくて、もっとぐちゃぐちゃだ、もういろんなひだがあるんだっていうお話だと思いますけども。
春香クリスティーン:そうですよね。なかなか単純にイメージを持ってしまう部分がありますけど。
萱野:そうですよね。中東に対峙する欧米もいろいろあるということで、私も欧米、フランスに留学で行ったころ思ったんですけど、やっぱ人種差別、ものすごい根強いんですよ。アラブ人に対する、イスラム教徒に対する。本当に心の底から嫌ってますよ。全員じゃないんですけどね。あれを見るとやっぱり中東、ヨーロッパはヨーロッパで相当色眼鏡を掛けて中東を見てるなっていう気はしますよね。
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※書き起こしは、次回「第4部」に続きます。
■プロフィール
黒木英充(くろき ひでみつ)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授。専門は中東地域研究、東アラブ近代史。1990年代に調査のためシリアに長期滞在、2006年以降はベイルートに設置した同研究所海外研究拠点長として頻繁にレバノンに渡航。主な著書に『シリア・レバノンを知るための64章』(編著、明石書店)など。
鈴木恵美(すずき えみ)
早稲田大学イスラーム地域研究機構招聘研究員。専門は中東地域研究、近現代エジプト政治史。著書に『エジプト革命』中公新書、編著に『現代エジプトを知るための60章』、他、共著多数。
高橋和夫(たかはし かずお)
評論家/国際政治学者/放送大学教授(中東研究、国際政治)。大阪外国語大学ペルシャ語科卒。米コロンビア大学大学院国際関係論修士課程修了。クウェート大学客員研究員などを経て現職。著書に『アラブとイスラエル』(講談社)、『現代の国際政治』(放送大学教育振興会)、『アメリカとパレスチナ問題』(角川書店)など多数。
萱野稔人(かやの としひと)
1970年生まれ。哲学者。津田塾大学教授。パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。博士(哲学)。哲学に軸足を置きながら現代社会の問題を幅広く論じる。現在、朝日新聞社「未来への発想委員会」委員、朝日新聞書評委員、衆議院選挙制度に関する調査会委員などを務める。『国家とはなにか』(以文社)、『ナショナリズムは悪なのか』(NHK出版新書)他著書多数。
春香クリスティーン
1992年スイス連邦チューリッヒ市生まれ。父は日本人、母はスイス人のハーフ。日本語、英語、ドイツ語、フランス語を操る。2008年に単身来日し、タレント活動を開始。日本政治に強い関心をもち、週に数回、永田町で国会論戦を見学することも。趣味は国会議員の追っかけ、国会議員カルタ制作。テレビ番組のコメンテーターなどを務めるほか、新聞、雑誌への寄稿も多数。著書に、『永田町大好き! 春香クリスティーンのおもしろい政治ジャパン』(マガジンハウス)がある。
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