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余命宣告された真面目な化学教師が家族に遺産を残すため、高純度ドラッグ “ブルーメス” の精製に手を染める『ブレイキング・バッド』。そんな衝撃作の物語の軸となっているのは、ウォルターの「自分が死んだ後に家族に苦労をかけたくない!!」という深い家族愛だ。
いっぽうで、ウォルターのメス・ビジネスの相棒となるジャンキーのジェシー・ピンクマンは、高校中退後にドラッグディーラーとなり両親とは絶縁状態……。年の離れた優等生の弟に親の愛情を独り占めされ、自業自得とはいえ、ジェシーと両親の冷え切った関係には胸が痛んだ。
そこで今回は、ジェシーの母親ピンクマン夫人を演じたテス・ハーパーにスポットライトを当ててみることにした。
・ドラッグ依存者に助けの手を差し伸べた経験がある
裕福な家庭で育ったものの、素行の悪さとドラッグ依存で家を追い出されてしまったジェシー。末期癌(がん)の叔母の家に居候しながら面倒を見ていた彼は、叔母の死後もその家に住み続ける。親としては、子供がドラッグにハマり人生を踏み外してしまったら、“育て方が悪かったのだろうか” と自分を責め、どうしようもない気持ちになってしまうだろう。
実際にドラッグ依存者に助けを差し伸べたことがあるというテスは、ピンクマン夫人に共感できる点が多かったという。だが、「どんな助けを与えても本人に受け取るつもりがなければ、全てが無駄になってしまう」と経験から学んだことを語っている。
・実は依存しやすい性格
だが、そう言うテス自身が何かに依存しやすい性格だとのことで、「若い頃はドラッグを買うほど金銭的な余裕がなかったから、手を出すことはなかったからラッキーだった」とも明かしている。そして自立心が高い彼女は、ヤクにハマって自分の生活管理ができなくなることが恐かったそうだ。
・田舎の訛りが抜けずに苦労する
そんな彼女はアメリカ中西部アーカンソー州出身で、その地域の訛りは “ヒルビリー” と呼ばれている。いわゆる「生活レベルが低い田舎者」を意味する言葉で、アメリカ英語のなかでも特に訛りがキツいことで知られてる。
ゆえに、地元の田舎者訛りがナカナカ抜けずに苦労したという彼女は、その訛りを活かして、ウェスタン物や中西部が舞台の作品に数多く出演している。言ってみれば、“生粋の大阪人に筋金入りの標準語を話せ!” と強要している感じを想像してみてほしい。
・ニューヨークやロスに引っ越す勇気はなかった!
中西部で生まれ育ったテスは女優になりたかったものの、ニューヨークやロサンゼルスに引っ越す勇気がなかったという。…