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◇山崎高が姫路工業高に製作依頼
山崎断層帯の近くにあり、地域と一体で防災活動に取り組む県立山崎高校(宍粟市)が炊き出しで使う大鍋「千人鍋」と専用のかまどが完成した。溶接科を持つ県立姫路工業高校(姫路市)に製作を依頼していた。今後、防災体験活動のほか、地元中学校とのスポーツ交流などで活用することにしている。(田村創)
姫路工高では、10年以上前に溶接科の教諭が作った千人鍋を野球部が今も使用しており、冬の練習の際、豚汁や寄せ鍋を作るなどしているという。かつて同校で野球部のコーチをしていた山崎高野球部の上杉祝久監督が「防災訓練用に同じ鍋を作ってもらおう」と提案し、同校が依頼したところ、姫路工高が快諾した。
できあがった千人鍋は、鉄製で直径約90センチ、深さ約50センチ、厚さ0・6センチ。かまどは煙突を含め高さ2・5メートルで、移動しやすいように台車に乗せた。同校溶接科の吉盛慎吾実習助手が今年に入り、授業の合間に約1か月半かけて作った。費用は材料費のみで、山崎高校の同窓会が負担した。
同校は毎年12月、防災体験活動を実施。昨年は全校生徒約760人とPTA、地元自治会の計約60人が参加し、炊き出しや体育館での避難所づくり、心肺蘇生法講習を行っている。森林環境科学科では、防災学習の一環で木で簡易ベッドの枠組みを作るほか、炊き出しに使う薪を校内に常備している。
姫路工高には10日、山崎高の西川茂樹校長と上杉監督らが軽トラックで受け取りに訪れた。野球部の4人は鍋の大きさに絶句。数人ががりでトラックの荷台に積み上げた。主将の春名輝(ひかる)君(17)(2年)は「暖も取れ、鍋も味わえ、助かります」と話し、西川校長は「立派な物を作っていただき、感謝している。防災活動で有効に活用したい」と顔をほころばせていた。