仕事でのことば、友人とのことば、恋人とのことば、家でのことば……。シチュエーションの数だけ適切な言葉遣いがあります。
今回はちょっとした言葉遣いを変えるだけで、好感度を上げるテクニックを紹介します。注目するのはずばり「助詞」。助詞力をあげて女子力をあげようと、というわけです(笑)。
助詞とは「あることばにくっついて意味を表すことば」。「●●は、かわいいね。」というときの「は」や「ね」が助詞です。それ自体では意味は無いけれど、ことばにくっつくと意味が出てくる短いことば。この細部にこだわると、会話の女子力がぐっと上がるのです。
では、具体的に説明していきましょう。
1、「ね」や「よね」を使う
「今日は寒い。」よりも「今日は寒いね。」「今日は寒いよね。」と言った方が、相手を引き込んで話をすることができます。これは、「ね」や「よね」には「自分の言った内容を受け入れるようお願いする働き」や「自分の言った内容に同意や共感を求める働き」があるからです。
つまり、自分の意見を相手にわかって欲しいときに「ね」や「よね」を使うことで、それがより伝わりやすくなるというわけです。テレビの解説者なども使っている、王道テクニックです。
2 「のに」「けど」を使う
「来てくれるって言ったのに……」「今日は楽しかったけど……」と、「のに」や「けど」で会話を終わらせてみましょう。「のに」や「けど」は、「その後に内容を続ける」という働きを持っています。なのに、わざとそこで会話を終わらせて後に内容がつながらないと、どうしてそんなことが起きたのかその理由を相手に考えさせることができるのです。それが、相手の注意を自分に向けるキッカケになるというわけ。
このワザは、会話に違和感を無理矢理作り出すことで、相手に自分のことを考えさせる強引なテクニック。使い過ぎると「ウザがられる」危険があるので注意が必要です。
3 「で」ではなく「が」を使う
例えば、「晩ご飯、何食べようか?」と尋ねられたときに、「鍋でいい」と答えるのと、「鍋がいい」と答えるのでは、「鍋がいい」の方がよい印象を受けるはず。
「で」を使うと「まぁそれでも構わないよ」と妥協しているような印象が出てしまいます。一方で「が」には、「自分の意思を表す」という意味があります。ですから、「が」を使う方が「自分は鍋が食べたいんだ!」という気持ちを相手に伝えられるので、ポジティブな印象に。…
いかがでしょう? いつものことばも、一部をちょっと変えるだけでいろんな意味が出てくる。この効果が、まさに「助詞力」です。
「神は細部に宿る」という言葉があるとおり、会話の印象を決めるのはちょっとした言い回し。気になる人へのメールやLINE、会話では、めんどくさがらずに気をつけてくださいね!
(五百田達成)
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