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昨年初めて韓国に渡り、同国内を移動していた豊岡生まれのコウノトリの雌「ポンスニ」が9日、最初の飛来地、金海(キメ)の花浦川湿地付近に戻って来た。初飛来の日から約1年ぶりに再び姿を現したことに、現地の関係者は「初めての土地を覚えていてくれて、うれしい」と喜んでいる。
ポンスニは、昨年3月18日に同湿地に初飛来した後、半年ほど居続けた。同10月に約100キロ西の河東郡へ移動し、今年1月には同郡から約250キロ北西の瑞山市へ向かった。瑞山市では野生のコウノトリや韓国の飼育施設から逃げたコウノトリと一緒に行動していた。
今月9日、花浦川湿地を見学していた韓国南部の別の湿地公園の職員らが「近くでコウノトリを見た」と花浦川湿地公園生態学習館の郭承國(クァクスングク)館長に伝えた。郭館長が慶尚南道ラムサール環境財団職員の李贊雨(イチャヌ)さんと探したところ、ポンスニが以前よくいた高圧鉄塔に止まっていたという。
同湿地は、今月3日頃までポンスニがいた瑞山市より緯度が低い。李さんは「一緒にいたコウノトリが越冬を終えて北へ帰ったのに、ポンスニだけ戻ってきたのは、ここが快適だからだろう。ポンスニの古里・豊岡市との交流を活発にし、人間と共存できる環境作りを進めたい」と話した。
◇豊中市が植樹
東日本大震災と阪神大震災の犠牲者の追悼と、防災意識を高めようと、豊中市は10日、同市野田町の野田中央公園に、桜の木2本を植樹した。
同市は1995年の阪神大震災で市民11人が犠牲となり、特に市南部にある同公園の周辺は被害が大きかった。
同市は、東北の被災地・岩手県大槌町と同県陸前高田市を支援しており、2013年には両市町に桜の木を贈った。今回、市は「二つの震災を表す2本の桜を植樹し、犠牲者の追悼と、記憶をとどめていくシンボルとしたい」と企画した。
植樹式には、浅利敬一郎市長や、地元住民ら約80人が参加。野田校区自主防災会長の中野豊さん(72)が「桜の成長に負けないよう、地域の輪を広げ、防災意識を高めていきたい」とあいさつした。
姫路発祥の市防災運動会「まもりんピック姫路」が注目を集めている。防災運動会はバケツリレーやクイズなどで楽しみながら防災意識を高める取り組みだが、地区ごとの実施が多く、姫路のように毎回、市民数百人が参加する大規模な運動会は珍しいという。全国から視察も相次いでおり、市は「発祥の地として、さらに地域防災力を強化していきたい」としている。(藤本綾子)
防災運動会は1995年の阪神大震災後、神戸市などを中心に全国に広がっているが、地区や学校単位など小規模なものが多いという。市は、幅広い世代が参加する全市的な取り組みとして、2008年度から隔年で実施しており、09年度には「防災まちづくり大賞 総務大臣表彰」を受けた。
「まもりんピック姫路」は「守る」と「オリンピック」をかけ合わせた造語。市が公募で決め、商標登録しているが、同様の取り組みをする自治体や団体には自由に使ってもらうことにしている。
東日本大震災後には、防災意識の高まりから、全国の自治体などから問い合わせが相次ぐようになった。震災前の10年度には1件だった視察は12年度には4件、13年度には6件に増えた。14年には東京都渋谷区でNPO主催の「まもりんピック渋谷」が開催されたほか、千葉県や秋田県でも「まもりんピック」の名を冠した取り組みがある。
姫路市消防局の高田順一主幹は「名称が広がるのは大歓迎。各地で防災の取り組みが進めばうれしい」と話す。
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7日に同市西延末の市立中央体育館で開かれた第4回大会には、幼稚園児ら700人と一般140人が参加。今回は、より幅広い世代に広げるため、自治会単位ではなく4人1組のグループで募集したところ、企業や病院など職場のグループや家族も目立った。
参加者たちは無害の煙が充満したビニールハウス内から負傷者に見立てた人形を運び出したり、土嚢を積んだりする速さを競った。
家族で参加した同市辻井の主婦久保井美香さん(40)は「思った以上に煙を吸ってしまった。それほど煙が見えなくても、しっかりと口をふさがないといけないんですね」。職場のグループで参加した同市大津区の高田悦子さん(44)も「Tシャツと棒で担架ができるとは知らなかった。災害時にはあるもので対応しなければいけないと思うので勉強になった」と感心した様子だった。
◇5月10日、マラソン大会
昨年、世界ジオパークに再認定された岩美町の浦富海岸周辺で5月10日、「第30回浦富海岸健康マラソン大会」が開催される。30回大会を記念して、バルセロナ五輪女子マラソン銀メダリスト・有森裕子さん(48)をゲストランナーに招待。主催する同町などが4月1日まで、計13種目とグループチャレンジの参加者を募集している。
種目は、10キロが▽男子40歳以上▽同39歳以下▽女子。
5キロが▽男子40歳以上▽同39歳以下▽女子。
3キロが▽男子60歳以上▽同59歳以下(中学生以上)▽女子(同)▽小学生男子▽同女子▽ファミリー▽ウォーキング。
この13種目のほか、10キロを走るランナー5人の合計タイムを競うグループチャレンジがある。
いずれも、町立岩美北小学校をスタート。▽3キロは、浦富海水浴場沿いを走って田後坂の手前▽5キロは、田後港を横目に田後コミュニティセンター下り口▽10キロは、城原海岸や鴨ヶ磯海岸を見下ろす絶景を楽しみながら網代――でそれぞれ折り返し、同小に戻る。
ファミリー、ウォーキングの部を除く、各部の6位まで(グループチャレンジは3位まで)を表彰する。
特別賞として、70歳以上の参加者に「高齢者賞」、4人以上の家族で事前申し込みした参加者に「健康家族賞」などもある。参加者全員に、オリジナルTシャツや記念品など贈呈する。
参加料は10キロ、5キロ、3キロの各部が一般2000円、高校生以下1500円。ファミリー、ウォーキングの部は1人500円。
同町内の旅館や民宿への宿泊者には、中学生以上2000円、小学生以下1000円の宿泊補助も受けられる。問い合わせは大会事務局(0857・73・1302)。
◇5月9日にランニング教室
5月9日午後3時から、岩美北小グラウンドで、有森裕子さんがランニング教室(約1時間半)を開催する。
小中高生と町内宿泊者が対象で、定員100人。別途、事前申し込みが必要。問い合わせは大会事務局。
4年前に起きた東日本大震災では、多くの海岸堤防や防波堤が大きな被害を受け、津波を防ぎきれなかった。その教訓から、強度が高く、想定を超す津波が来ても壊れにくい堤防や防波堤の建設、研究が進められている。
(浜中伸之)
福島県いわき市の夏井地区海岸に、全長約1キロの真新しい海岸堤防が延びる。高さは7・2メートル、幅は最大で18メートル。見た目はふつうの堤防だが、福島県いわき建設事務所の猪狩(いがり)洋・河川海岸係長は「実は、震災で生じたがれきを使って造ったのです」という。
震災時、この場所に堤防はなかったが、隣接した場所にあった堤防は、7・6メートルの津波で大破した。
国土交通省によると、震災では、青森県から茨城県までの29の港湾で、海岸堤防や防波堤などの防災施設が被災し、被害総額は約4000億円に上った。
国の中央防災会議は震災の半年後、こうした防災施設は「最大級の津波でも一気に倒壊せず粘り強く耐え、避難できる時間をできるだけ確保できるように強化すべきだ」と提言した。
夏井地区海岸の堤防新設に当たって、福島県は提言を踏まえ、粘り強さを発揮できる様々な工夫を取り入れた。
従来の堤防は、盛った土の表面をコンクリートで覆う工法が一般的だ。震災では、津波でコンクリートが割れて土が流出し、堤防が即座に崩壊する被害が多発した。
そこで、震災がれき約4万立方メートル(ドラム缶約20万本分)をセメントと混ぜ合わせ、ブルドーザーで踏み固めながら海岸に積み上げて造った。
がれきによる工法は、ダム建設で使われているが、ダムほどの強度は必要ないと思われがちだった海岸堤防では国内初の試みだ。工事を担当した大手ゼネコン鹿島の神戸(かんべ)隆幸・土木工務部課長は「土より固く、流れ出しにくい。がれきの有効利用と建設費の削減にもつながる」と利点を語る。
がれきで造った本体の表面は、本体の10倍という強度を持つコンクリート(厚さ50センチ)で覆い、海岸にいる人が避難する時に駆け上れるように、階段状に仕上げた。
新堤防は約11億円をかけて、2013年11月に完成した。堤防の前にコンクリートブロックを置いたり、背後には防潮林を植えたりと、二重三重の強化策を講じている。
南海トラフ巨大地震で大津波が押し寄せると想定されている浜松市でも、がれきを使った同様の工法で海岸堤防の建設が進められている。
◇海中でも津波止める
陸から離れた海中で津波を食い止める防波堤も、強度を上げる工夫が模索されている。京都大防災研究所や港湾空港技術研究所などは、津波が来ると、波の力で自動的に立ち上がる防波堤の研究開発を進めている。
湾の出入り口に当たる沖合に設置するため、普段は船が航行できるよう海底に沈める。防波堤の本体は、コンクリートより強く、加工もしやすい鉄板を使う。
海底に土台を造り、円弧の形をした鉄板を、丸い面が下になるように置く。津波が押し寄せると、その衝撃で鉄板が垂直に立ち上がる仕組みだ。土台と鉄板は、金属製のワイヤを編み込んだ合成ゴムの丈夫なベルトでつなぐ。コンピューターや模型での実験で、東日本大震災級の津波にも耐えられることを確認した。
研究チームの東(あずま)良慶(りょうけい)・京大防災研助教(水工学)は「湾の出入り口を完全に閉じることができれば、防波堤を越える津波が来ても、その威力は大きく減らせる」と話す。
和歌山県沖では国土交通省が、鋼管78本が海中から浮上するという大がかりな防波堤を建設していたが、最大級の南海トラフ巨大地震に備えるには費用が膨大になることがわかり、2月に建設を断念した。
鉄板を使う新たな手法は仕組みが簡単なためコストをかなり抑えられるといい、採用を検討している自治体もある。