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これに先立ち、与野党8党首による討論会が1日、東京・内幸町の日本記者クラブで行われた。安倍政権の経済政策「アベノミクス」をめぐり、成果と継続を訴える与党に対し、野党の多くは物価上昇などを理由に批判した。
安倍首相(自民党総裁)は「我々が政権を取って雇用を100万人増やした」などとアベノミクスの実績を強調し、路線の継続を訴えた。公明党の山口代表も「経済の好循環が生まれ、景気は回復しつつある。これから大事なのは景気回復を国民に実感してもらうことだ」と同調した。
これに対し、民主党の海江田代表は「安倍政権の経済政策が続けば(待っているのは)円安による物価高、格差の拡大だ」と批判した。共産党の志位委員長は「格差拡大の『アベノミクス』ストップ」、生活の党の小沢代表は「(我々は)国民の生活が第一という政治理念を掲げて活動してきた。アベノミクス、安倍政権の考え方とは基本的に異なる」、社民党の吉田党首は「アベノミクスによる生活破壊を許さない」と訴えた。
一方、維新の党の江田共同代表は「身を切る改革を断行する。維新こそ本当の改革ができる」と独自性をアピールした。次世代の党の平沼党首は、政権との関係について「日本のためになることなら賛成、駄目なことは駄目だ」と是々非々の立場を強調した。
獲得議席の目標については、首相は「自民党と公明党が協力して戦っており、当然、目標は(自公で)過半数とするべきだ」と述べた。海江田氏は「維新の党や社民党、生活の党とも(選挙区の)すみ分けをしている。こうした勢力を全部集めて、自民党の過半数割れを何としても実現する」と語った。
安倍首相(自民党総裁)の経済政策「アベノミクス」への評価や、消費税率の10%への引き上げ延期問題などが争点となりそうだ。衆院選は、今回から定数を5減らし、475議席で争われる。公示前で324議席という圧倒的多数を持つ自民、公明両党は、安定的な多数での安倍政権の継続を目指す。民主党や維新の党など野党は、与党の過半数(238議席)確保の阻止を掲げている。野党が擁立する候補者が少なかったことから、立候補者数は、2012年の前回衆院選の1504人から大幅に減り、1200人前後となる見通しだ。
各党の党首は2日、街頭で第一声を上げた。
自民、民主両党は2012年衆院選、13年参院選に続き、東日本大震災の被災地を選んだ。維新の党と公明党は大票田の横浜市で支持を訴えた。
首相は福島県相馬市の相馬原釜漁港で演説し、「15年苦しんだデフレから脱却するチャンスをようやくつかんだ。このチャンスを手放すわけにはいかない」とアベノミクス継続への決意を示した。そのうえで「強い経済を取り戻し、日本が世界の真ん中で輝く国にしていく」と訴えた。
民主党の海江田代表は同県いわき市のJRいわき駅前で、「今度の衆院選の狙いは『政治とカネ』の疑惑隠しだ。アベノミクスの失敗隠しでもある」と首相を批判。民主党の政策の柱として「雇用の安定、子育ての支援、社会保障の安心」を掲げ、「今こそ、流れを変える時だ」と強調した。
維新の党の江田共同代表はJR横浜駅前で、「維新の党だけが、国会議員定数の3割カットなど『身を切る改革』ができる」と訴え、「成長分野で規制を取っ払って、新規参入させ、多くの会社を生み、雇用を生む。地方に徹底的に財源や権限を移譲する」と改革姿勢をアピールした。
公明党の山口代表は横浜市旭区の相模鉄道二俣川駅前で、消費税率を10%に引き上げる際、生活必需品などの税率を低く抑える軽減税率の導入を目指す方針を強調。「経済再生、デフレ脱却の道をさらに強くしなければならない。こうした道を推進できるのは自公連立政権しかない」と述べた。
一方、議席の伸び悩みが報じられた民主党や維新の党は、重点区を中心に巻き返しに乗り出す構えだ。
民主党は公示前の62議席は上回るが、100議席に届かない見通し。維新の党は公示前の42議席に届かない情勢となっている。
衆院選の序盤情勢を巡っては、朝日新聞や毎日新聞、産経新聞が4日、自民党の獲得議席について、300を超すとの分析を報道した。日経新聞は300議席をうかがう勢いとした。
これを受け、安倍首相(自民党総裁)は4日、自身のフェイスブックで「各報道機関が与党が優勢と報道しているが、選挙は始まったばかり。油断した方が必ず負ける」と戒めた。1998年の橋本首相の下での参院選にも触れ、「選挙中、自民党大勝と報道され、結果大敗した」と記した。
各候補には、谷垣幹事長と茂木敏充選挙対策委員長の連名で、「慢心することなく、全身全霊で選挙戦を闘っている姿を示すことが、最終的な勝利につながる」と緊急通達を出した。
公明党は4日午前、常任役員会を開き、情勢分析に当たった。山口代表は「選挙区を回っている実感と違う。気を引き締めていこう」と述べ、「揺り戻し」に警戒感を示した。
一方、海江田代表は4日、小選挙区選で自民党が優位に戦いを進める福井、石川両県に応援入りする。民主党幹部は「自民党の批判もかなり聞く。実際の感覚と違う」と述べた。
維新の党など第3極は苦しい戦いだ。小沢鋭仁国会議員団幹事長は「厳しい戦いだが、身を切る改革が出来るのは維新の党だと訴え続けていく」と語った。
主な論点は、1選挙区あたりの人口もしくは有権者数の格差(1票の格差)の是正と、議員定数の削減の二つだ。ただ、各党は、衆院議長の諮問機関「衆院選挙制度に関する調査会」に制度改革の検討を委ねていることもあり、具体的な提案は少ない。
このうち喫緊の課題なのが、1票の格差是正だ。人口格差を2倍未満に抑えるため、2013年6月、小選挙区定数の「0増5減」を実現する区割り法(改正公職選挙法)が成立した。だが、今月1日現在の有権者数でみると、13選挙区で2倍を超えている。新たな是正策を求める動きもあるが、各党は公約で具体案を示していない。
定数削減については、12年12月の前回衆院選後、各党間で議論されてきた。自民、公明両党が比例選定数の30削減を提案したのに対し、民主党と生活の党は「小選挙区30減と比例選50減」、維新の党の前身である日本維新の会は「小選挙区60減と比例選84減」をそれぞれ主張。共産、社民両党は定数削減に反対し、議論は平行線をたどった。
事態を打開するために設置されたのが、衆院選挙制度に関する調査会だ。今年4月、共産、社民両党を除く与野党8党が設置に合意し、9月に大学教授や首長、報道関係者ら15人で発足した。これまで4回開かれ、衆院選後に活動を再開する。
議長への答申は1票の格差の是正策を先行させ、定数削減はその後にする方向だ。日本の国会議員は世界的に見て人口比で多いとは言えず、議員数を減らせば法案審議が粗雑になりかねないとの弊害も指摘されている。
各党は調査会の答申を「尊重」することで合意しており、自民党、公明党、新党改革の3党は公約にも明記している。11月末のテレビ番組で、安倍首相(自民党総裁)は「調査会で決まったことには従う」と明言し、民主党の海江田代表も同調した。さらに、維新の党の橋下共同代表や次世代の党の平沼党首も答申に従う考えを示した。
定数削減の具体案は、ほとんどの政党は示していないが、維新の党は「3割削減」と数値目標を掲げた。共産党は定数削減について「民意の削減だ」と反発しており、社民党は比例選の定数削減に反対している。
(政治部 谷川広二郎)
◇衆院選挙制度改革を巡る今年の動き
▽共産、社民両党を除く与野党8党が、改革を検討する第三者機関を衆院議長の下に設置することで合意(4月)
▽衆院議院運営委員会が「衆院選挙制度に関する調査会」の設置を賛成多数で議決(6月)
▽調査会が初会合。「1票の格差」の是正策から議論することを確認(9月)
28歳の時の衆院選から当選を重ね、環境相や党幹事長などを歴任。党の「顔」として、今回の選挙期間中は、応援で全国を飛び回ったため、ほとんど地元入りできなかった。
それでも、強固な支持基盤に支えられ、知名度を生かして無党派層も取り込み、選挙戦を終始、優位に進めた。